Vol.2 力

数分後、政府警察が到着する。
即座に黄色いテープが張られ、変異体のいた場所が包囲される。
周りにいた人たちはみな僕の方を怪しい物を見る目で見る。
僕は、逃げるようにそこから去った。

以前、公園であった場所に着く。そこには遊具はない。
子供の無邪気な声も姿も見あたらない。
言うなれば、空き地。
さっき買った薄めたコーヒーを飲みながらさっきの事を思い出す。

『いずれわかるわ』

あの声はナンだったんだろう。
それに、あの力…。
恐い。また僕はあの時のように…。

「すごいなぁ。にいちゃん。」
ふと僕と同じくらいの男が話しかけてきた。
「誰ですか?」
「あぁ、俺?ミサキ。ミサキ=ヒオカ。神人類の一人や。」
「神人類…ですか。」
「そや。さっきの見たで。弐型を一撃、すごい攻撃力や。」
「にがた?」
「おう。さっきの巨人みたいなのを弐型っていうんや。」
「そうですか。で、僕に何か用ですか?」
「冷たいなぁ。にいちゃんにええ話持ってきたのに。」
「…すいません。先を急ぎますので。」
関わりたくない。そう思って無視して去ろうと思った。
「にいちゃん、弐型を倒してる時、一瞬時が止まって女の子の声がせんかったか?」
「えっ?なぜそれを」
「その声の主と、逢ってみる気はないか?」
とまどった。逢ってみたい。だけど…恐い。
「大丈夫や。にいちゃんに危害くわえたりはせえへん。」
「…わかりました。逢うだけなら。」
「そっか。よし、じゃあ案内したる。と、その前に名前、聞かしてくれるか?」
「レイ。レイ=カンザキ。」
「わかった。そんじゃついてきな、レイ。」


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