▼プロローグ 銀色の街

気が付くと周りは一面の雪だった。目の前には小学生低学年位の少女。自分の後ろには凍らず一心に水を噴き上げる噴水。
「俺は夢を見ているのか。」
そう思ったのは、目の前に広がる風景が、小さい頃に親戚の家に遊びに行ったときのかすかな記憶と同じだったから。
「ゆびきり・・・しよ」
少女がそういって小指を差し出した。
「そんなことしなくても大丈夫だよ」

俺はそう言い放った。正しくは無意識にそういっていた、といった方が正しいだろう。
「だって・・・」
少女が泣き顔になる。
俺はあわてて、
「わかった。わかったから泣くなよ。ほら」
そういって俺は少女の手を引っ張ると、自分の小指を絡ませた。
「これでいいだろ?」
すると、さっきまでの涙でくしゃくしゃだった顔が笑顔になった。

「・・・うん!約束だよ」

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